日本のミュージカルのために。。。


by zatoumushi
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▼001「マイ・フェア・レディ」▼

★マイ・フェア・レディ

@東京宝塚劇場

東宝 製作

1963年 9月 1日〜29日

初演


【掲載内容】

御挨拶 / 菊田一夫

「マイ・フェア・レディ」所感 / 小泉信三

アメリカのしばい・日本のしばい:演劇の交流ということ / 倉橋健

そのもとの作者 / 福原麟太郎

「マイ・フェア・レディ」への期待 / 杉山誠

【御挨拶】

懸案の“マイ・フェア・レディ”を上演いたしますに際しての感慨は、とにかく、これで、日本のミュージカル運動に一つの礎石をおくことができた。と、いう極めて素朴なものでございます。
かと言って、私は決して、いままでの日本のミュージカルに不必要な卑屈感も抱いておりませんし、尊大な自負心も感じてはおりません、あれはビルディングの建築で言えば、地下の基礎作業であったのです。あれはあれでよかったし、必要な過程であったし、今後でさえもあのような工事は、しばしば行われるでありましょう。
が、大きな建物は礎石が要る。けじめが要る。そのけじめをつける作品としては、実にこの作品“マイ・フェア・レディ”は、世界のミュージカル界に於いての最優秀な記録的な作品であるということにおいて、まことに適切な、数字通りそれにぴったりの作品であると考える次第です。
私がニューヨークで、はじめて此の作品を見たのは、昨年の7月でございました。ロンドンで全市公演中のこれを見たのが10月、その足で再度ニューヨークへいって、(此の時は、もう此処では、7年数ヶ月にわたる長期公演が終わったところでした)その時はじめて、此の作品の著作権保持者に上演の許可を願い出ました。
アメリカの優れたミュージカル作品の見本として、そして日本の観客の皆様にとって肌合いのぴったりと合う作品として、これ以上のものはないと、信じたからでございます。
日本のミュージカル運動は、すでに、発足いたしております。しかし此の公演からも、また一つの形が発足いたします。
永い、遠い日の、日本のミュージカルの発展のために、あらゆる困難を排除して、東宝はこれを上演いたしました。日本のミュージカル界は、やっと、とにもかくにも、これを上演できるところまで進歩発展してきたのだ、とも言えましょう。
採算の点からだけ言えば、純日本製ミュージカル作品のほうが、いまや、むしろ、はるかに、それこそ笑いが止まらないほど算盤に合うのだ、ということだけを申しあげます。
大衆のための興行会社である東宝は、それを誇りといたしております。


昭和38年 9月
東宝株式会社専務取締役
菊田一夫
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by zatoumushi | 2007-10-11 23:32 | ▼プログラム▼