日本のミュージカルのために。。。


by zatoumushi
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▼018「屋根の上のヴァイオリン弾き」▼

★屋根の上のヴァイオリン弾き
(東宝創立三十五周年記念 東宝ミュージカル特別公演)

@帝国劇場

東宝 製作

1967年 9月 6日〜10月29日

初演


【掲載内容】

御挨拶 / 菊田一夫

“屋根の上のヴァイオリン弾き”
         日本公演に際して / ジェローム・ロビンス

フィドラー・オン・ザ・ルーフ / 盛田昭夫

ロビンスと「フィドラー・オン・ザ・ルーフ」 / 岡野弁

現代ユダヤの東欧的背景 / 小林正之

モントリオール〜ニューヨーク / 山本柴朗


【御挨拶】

新秋九月から十月にかけての帝劇公演。出し物はいま欧米各国で大きな話題となっておりますミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」であります。
1964年秋、ブロードウェイのインペリアルで初演されたこの作品は、その後、劇場がマジェスティックに変わったりしましたが、今なお長期続演中。ロンドンやその他の各都市でも、それぞれの国の俳優たちによって、別組上演がなされているヒット・ミュージカルであります。
内容はかつて自分たちの国というものを持たなかったイスラエルの移民一家が、旧帝政ロシアの土地から、部落ごと追い立てられて行く哀話。併し、彼らはその悲運に、泣かないで笑います。哀しすぎるから泣かないで自分も笑い、ひとを笑わせるのでありましょう。
私もニューヨークで、この舞台を見たときは、アメリカ人の観客と共に……こちらはろくに言葉も判らないのに、笑い転げ、そして最後には声をあげて泣き出してしまいました。イスラエルの首都テルアビブで、この舞台をみた時も同様です。イスラエルの観客は自分たちと同じ民族の親子関係や因習などの滑稽さにひたすら笑いころげ、そして最後にはキュッと口を結んで目をしばたいておりました。私が、この作品を、完全に日本語で歌い、且つ演じられる舞台にかけてみたいと思い始めたのは、その時以来ですが、ここにその願望が果たされたのは、大きな喜びであります。
帝劇では森繁久彌君を初め、越路吹雪、市川染五郎そのほか、ごらんのような適役、打ってつけの人々によって、日本版の製作が進行いたしました。稽古にあたっては、ブロードウェイからサミー・ベイス氏―この作品のオリジナル版の演出、振付者ジェローム・ロビンス氏の高弟である方―が来日して、きびしい稽古に立ち会って下さったのも、もう一つの喜びといえます。きっと、今度の帝劇版は、欧米のいかなる別組公演にも劣らない、光彩ある成果が上がるであろうことを信じて疑いません。
御観劇の皆さま、何卒、今日は帝劇の椅子に深々とお腰かけになって、この比類ないミュージカルに笑い、泣き、そしてしみじみと人生哀歓の感動をお味わい下さいまし。


昭和42年 9月
東宝株式会社専務取締役
菊田一夫
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by zatoumushi | 2007-10-16 19:27 | ▼プログラム▼