日本のミュージカルのために。。。


by zatoumushi
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▼025「スカーレット」▼

★スカーレット  風と共に去りぬ

@帝国劇場

東宝 製作

1970年 1月 2日〜 3月29日

初演


【掲載内容】

御挨拶 / 菊田一夫

祝電 / スティーブンス・ミッチェル

これが“スカーレット”である
     スカーレットの普遍性 / ジョー・レイトン

最も帝劇らしい企画 / 戸板康二

原作者マーガレット・ミッチェル女史のこと / 竹内道之助

『スカーレット』の開幕を期待する / 野口久光


【御挨拶】

待望の、と……私共の側から言うのは、おかしうございますけれど……しかし、正しく、製作側から申しても、待望の“スカーレット”(風と共に去りぬ)でございます。すでに公開いたしましたドラマ版“風と共に去りぬ”の前後10カ月にわたる公演をも、この“スカーレット”製作のための期間だったとみるはならば、この作品の準備期間は実に5ヵ年の長きにわたっております。
この初日を見て、製作関係者一同が「とうとう幕があいたのだ」と、喜びの声をあげる気持ちは、お客様方にも判っていただけるかと存知ます。
アメリカから来日したJ・レイトンも実によくやってくれました。彼は演出者です。演出者が仕事をしている傍らに製作者がうろちょろすることは、演出者としては目障りなことです。私はなるべく彼の目にふれない所で彼の仕事の進行状態を見守りました。順調でした。一時は暗礁に乗り上げたかに見えたが彼は乗り切りました。作曲者のハロルド・ロームは美しい曲を次々と作りました。まだ、仕事が始まる前、テストの曲を彼が持ってきた時、私は罵りました。それを此処で私は詫びます。舞台装置のディヴィッド・ヘイズの仕事には、日本のお客様は眼を見張るでしょう。舞台というものは、こんなやりかたで、こんなに美しく抒情的になるものだ。衣裳デザイナーのパットン・キャンベルはドラマ版の“風”の時からのおなじみです。あの時も、人々は、あの奥深い色の使い方に驚いた。こんどは絹を使った夢幻的な色彩に、これが一人の人間の持つ色なのかとお思いになることでしょう。その他、合唱舞踊のための音楽のトルーディ・リットマン、編曲のマイヤー・カッファーマン、音楽指揮のレイマン・エンゲル……みんな誰も彼もが仕事の鬼であり、仕事の虫である人の集まりでした。我が国にミュージカルの仕事を本格的に根を下してゆくに就いては、これだけのことをしなくてはならないのだぞ……この人々には身を以て教えてくれたのでした。
さて最後に、このたびの“スカーレット”の上演にあたり、私としても、東宝としても、忘れてはならない人は、ミス・K・ブラウンです。この人は故マーガレット・ミッチェルの代理人として、ドラマ版“風と共に去りぬ”の上演を東宝に対して許可して下すった人ですが。その成果を御覧になった上でミュージカル化の許可を重ねて東宝並びに菊田に与えて下すった。その途中、故障を申し立てる向きもあったが、敢然として、初志を貫いて今日の初日までもってきて下すった人なのです。
此のミス・K・ブラウンさんがなかったら、今日の初日はなかったでありましょう。終わりに、遠いアトランタにおいでになる故マーガレット・ミッチェルさんの兄君、スティーブンス・ミッチェル氏のご健康を祈り、筆をおきます。


昭和45年 1月 2日
東宝株式会社専務取締役
菊田一夫
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by zatoumushi | 2007-11-01 08:06 | ▼プログラム▼