日本のミュージカルのために。。。


by zatoumushi
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▼090「キャバレー」(再演)▼

★キャバレー

@博品館劇場

博品館劇場 製作

1982年 8月 1日〜29日

再演


【掲載内容】

時代をどう出すか。 / 渡辺浩子(初演プログラムから再録)

「キャバレー」あ・ら・かると / 風早美樹(初演プログラムから再録)

順みつきへの夢と期待 / 小田島雄志(初演プログラムから再録)

踊るベルリン キャバレーの時代 / 海野弘(初演プログラムから再録)

『キャバレー』の女性スタッフたち
  新しい変化の波のなかで / 扇田昭彦(初演プログラムから再録)

ブロードウェイの昨日、今日と日本人 / 大原由紀夫


【ブロードウェイの昨日、今日と日本人】

(前略)今年の正月、ブロードウェイてミスコフ氏(「サヨナラ」のプロデューサー)に逢った時、彼は面白いことを私にいった。
「世界中で日本人ほど模倣本能の発達した人種はいない。ミュージカルは確かにアメリカで出来たものだけど、いつか日本人は、自分のものにするにちがいない。いやそれが出来る民族だと思う」
私はそれまで、日本でのまねごとミュージカルがたまらなくいやであった。そして「ブロードウェイの興行界でアメリカ人が歌舞伎を公演しますか」とか「中国人、韓国人がもし、北京、ソウルで髪の毛をそめ、タキシードを着て、外国人の真似をして例えば“コーラスライン”を演じているのをあなたがみた時、どう思いますか……」といったことがある。
しかしよく考えてみると日本の文化(音楽、絵画、芸能)、科学はほとんど外国から入って来たものである。
雅楽は聖徳太子が支那から迎えたもの、三味線も堺に沖縄から蛇味線が入って来たのを改良したものだ。ピアノにしろ、ギターにしろ日本で生まれたものではない。今や世界中の人々が使っている自動車、カメラは、殆ど日本製。これらは外国で作られたものを最初は真似をし、さらに改良し、独特のすばらしいものに作り変えたのである。
日本人のたべものでも同じこと。日本の国民食となったカレーライスも昔からの日本食ではない。しかもその本家であるインド人や東南アジアの人が、現在我々がたべているカレーを食したら、おそらくこれはカレーでないというだろう。これこそ完全に自分のものに同化した例である。
完全に自分のものにするには、まずそのものを充分知らなかったら出来るものではない。その為、博品館劇場ではこの3年間、毎年夏にブロードウェイより「アメリカン・ダンス・マシーン」というミュージカルダンサーを迎え公演して来たが、頭のいい日本人はもうすっかりどんなものかわかった筈である。見本やサンプルはもうこれで充分である。
今月の「キャバレー」は2月にこの劇場で公演し、大成功した作品である。今回は出演者の一部を入れかえ、更に手を加え2ヵ月間稽古をして魅力を増した作品である。
まだカレーライスやナットースパゲッティやタラコスパゲッティのように完全な同化にはほど遠いが、いつかそのようになることを信じてこの「キャバレー」は何度も手を加え、何度も公演すべき作品だと思っている。


大原由紀夫
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by zatoumushi | 2008-03-02 19:22 | ▼プログラム▼