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“Musical comedy: the most glorious words in the English language.”


by zatoumushi
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▼258「コレット・コラージュ」(三演)▼

★コレット・コラージュ コレットをめぐる二つのミュージカル

@シアター・ドラマシティ

シアターVアカサカ シアター・ドラマシティ 製作

1994年 4月25日〜27日

三演


【掲載内容】

幕の開く前に / 勝田安彦
        (初演・再演プログラムから再録)

コラージュを collage する / 柳沢孝彦
               (再演プログラムから再録)

小説家コレット / 横川晶子
         (再演プログラムから再録)

日本でも人気のオフ・ブロードウェイ・ミュージカル / 小藤田千栄子
                    (再演プログラムから再録)


【コラージュをCollageする】

今世紀の絵画や彫刻の世界で「コラージュ」という技法が数多くの芸術家の手により試みられてきた。「コラージュ」は糊付けするという意味のフランス語 ―coller― からの派生語で、様々な物(写真や新聞の切り抜きなど)を画面に張り合わせてイメージを組み立てていく手法をいう。(中略)
劇場もまた舞台と客席のコラージュ。演ずる人と観る人とが一期一会の劇場性を共演する場だから、観客と舞台、観客と観客といった多元的な関係の緊密さが興奮の函数だといえる。それぞれの関係がいかに一体感を持つかが劇場の質を決定してしまう。(中略)
『コレット・コラージュ』についていえば、トム・ジョーンズがコラージュという武器を初めて現代の劇空間に発展させようとするものである。価値観が多様な拡がりを見せている現代でこそコラージュはその有効性を発揮しるように、単に物語や筋道を追う劇作などを超えてコレットの言葉をコラージュするという独創的な組立が、私たちのイメージを生々しくかきたてて新しいコレットを立ち現せる。
またオペラやミュージカルの魅力が歌によって劇(筋道)を進めるというある種の宿命的な矛盾をかかえているということに気がつけば、ジョーンズのそれはこの宿命的な矛盾に新しい切り口を介して作家と鑑賞者との対話で創り出される芸術だから、断片的なイメージを重ね合わせてそこに意味を紡ぎだすという作用は、観る人そして演ずる人それぞれの感性の交感に委ねられているといえる。即ち、コレットの生きざまの時間断面がコラージュされるこの劇場空間は、居合わせるひとりひとりが主役となって新しいコレットを発見する「舞台」となる。

柳沢孝彦
by zatoumushi | 2008-11-27 13:59 | ▼プログラム▼