日本のミュージカルのために。。。


by zatoumushi
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2007年 10月 30日 ( 2 )

★ラ・マンチャの男 ―ドン・キホーテの物語―
(東宝ミュージカル特別公演)

@帝国劇場

東宝 製作

1969年 4月 4日〜 5月26日

初演


【掲載内容】

御挨拶 / 菊田一夫

作者の序文 / デール・ワッサーマン

「ラ・マンチャの男」翻訳覚え書 / 森岩雄

セルバンテスについて / 会田由

「ラ・マンチャの男」の舞台:オープン・ステージの魅力 / 中川龍一

ラ・マンチャと作詩家 / ジョオ・ダリオン

ステレオ式構成 / ミッチ・レイ

目で見るドン・キホーテ

ブロードウェイの劇場街 / 伊藤寿二

「ラ・マンチャの男」のけいこを見て
      私の中の「ドン・キホーテ」 / 山田照子


【御挨拶】

“ラ・マンチャの男”
世界中で近来これほど評判のいいミュージカルはありません。はじめはオフ・ブロードウェイに掘立小舎のような劇場を建て、そこで初演以来数年間の上演をつづけたのですが、その間に第二班第三班の劇団がロンドン公演、その他アメリカ国内の地方公演をつづけ、いまでは本拠をブロードウェイのマーチンベック劇場に移し、そこで何代目かの配役により依然として大入満員の好評公演をつづけています。
私が此のミュージカル・プレイを見たのは、まだオフ・ブロードウェイの掘立小舎で上演している時でしたが(配役は三代目になっていた)ミュージカルとしてこれほどの格調の高い作品はないと思い、かといって、それだけではなく一般の観客から見ても面白さに於いてこれにまさるものはない。と、思われました。
誰しも、何によらずいい物を見ると誰彼の区別なく自分の感激を伝えたくなるのが人情ですが、私もその例に違わず早速此の作品の上演権獲得を思いたち、そこにまた森岩雄先生並びに高田蓉子女史の名訳を得て、やっと、ここに帝劇公演の幕を開けることを得た次第でございます。
振付のためには態々ニューヨークから振付担当者エドワード・ロール氏を招き出演者一同をしごきにしごいて貰いました。(舞台をご覧下されば、それが如何に意義のあることか、お判かりになります)
主役ドン・キホーテが敬慕するドルシネア姫実はアルドンサ役には三人の女優(草笛光子、浜木綿子、西尾美恵子)を起用し競演させることにいたさせました。アメリカ初演の時にはアルドンサ役の女優が肋骨を折り(それほど激しい振付)それでも尚踊りつづけた、と、聞いたからでございます。
とにかく此の舞台、ご覧下されば末長くミュージカル・ファンの語り草となることでございましょう。
たのしくごゆるりとご覧のほどを……


昭和44年 4月
東宝株式会社専務取締役
菊田一夫
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by zatoumushi | 2007-10-30 23:38 | ▼プログラム▼

▼021「結婚物語」▼

★結婚物語 ―結婚についてのミュージカル―
 ヤン・ド・ハルトックの「四つの柱がある寝台」に拠る

@日生劇場

劇団四季 製作

1969年 1月 2日〜28日

初演


【掲載内容】

ミュージカル雑感 / 飯沢匡

『結婚物語』の周辺 / 倉橋健

二つの個性(越路吹雪と平幹二朗) / 戸板康二

越路さんに最敬礼 / 平幹二朗

年始助け合い運動:平さんのこと / 越路吹雪

芝居と音楽 / 内藤法美・浅利慶太

ミュージカルの舞台美術 / 金森馨・吉井澄雄

ブロードウェイ版『結婚物語』の出演者たち / 安倍寧

随想:日本のミュージカル
      わがミュージカル   / いずみたく
      ミュージカル随想   / 野口久光
      おとなのミュージカル / 伊藤強


【本文より】

こんどはじめてアメリカのミュージカルをやるわけですけど、僕はもともとミュージカルは創作ものでなければというたてまえだったんです。でも、いままで、こどものミュージカルを五本やって来て、ミュージカルというものの原理、やり方ということもわかって来ました。それで、いっぺん、あちらのミュージカルをそっくりなぞってみることも面白いと思ったんです。演出家としては表現のニュアンスを契約にしばられているこういう仕事は手間がかからないのでかえって残念です。音の流れもきまっている。台本もできている。あとは、少し日本的にアレンジするくらいの仕事しか残っていないみたいなんだ。だけど、あえてやってみたかったのは、お茶漬けや菜っぱを食ってきている僕らのフィーリングと、バターやチーズを食っている彼らのフィーリングとは違うわけで、それは発想法や具体的な運びの違いとなって出てきているはずで、そっくりそのままやってみることで、なるほどここが違うのかと感じるところがあるはずなんです。それを勉強したかったということがあるんですよ。その点では、この『結婚物語』は非常にうまく出来ているミュージカルですからね。実際やってみると感心する要素が多いですね。(中略)
あちらのミュージカルは、芝居になっていますね。日本のミュージカルは作曲家におんぶしすぎていると思いましたね。特にこの作品をやってみて。日本では、筋だけ作曲家に渡してあとはよろしくという感じなんです。だけど、かれらのものは、ちゃんと芝居の流れをつくっていって、その上にパッパッと花が咲いているようにミュージカル・ナンバーが来てますね。ことにこの作品なんか、日本だったらすぐダンス・ナンバーを多く入れたがるけど、思いきって捨てているしね。(踊りは事実あるけれど、踊り踊りとしては見えないんですね)そうそう。夫婦の心理の流れのうえにうまく曲の花を咲かせていってるという感じで、非常に芝居づくりがうまいですね。じつにうまい。まず、芝居にしてて、ドラマが芯にあるんです、ちゃんと。そこが日本のミュージカルと違うと思いました。だから僕らも芝居の骨組みをもっとしっかりつくってから作曲家に渡さないといかんと思いましたね。それが今度この作品をやってみて一番勉強になりました。(後略)


芝居と音楽 より
浅利慶太
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by zatoumushi | 2007-10-30 20:12 | ▼プログラム▼