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“Musical comedy: the most glorious words in the English language.”


by zatoumushi
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▼019「オリバー!」(来日)▼

★オリバー!
(日英親善国際公演)

@帝国劇場

ドナルド・オルベリー(ドンマー・プロダクション)&東宝 製作

1968年 5月 5日〜 7月20日

来日公演


【掲載内容】

御挨拶 / 松岡辰郎

メッセージ / サー・ジョン・ピルチャー

“オリバー!”公演に際して / 菊田一夫

「オリバー!」をつくる人々 / 牛窪成弘

ロンドンの「オリバー!」 / 進藤慎吾

ブロードウェイで見た「オリバー!」 / 河上英一

ブルー・セレストに映えるアンサンブルの味
      「オリバー!」ブロードウェイ公演をみて / 草笛光子

少年オリバーの生きた社会
          原作オリヴァ・トウィストの背景 / 中川龍一


【“オリバー!”公演に際して】

古き帝国劇場の、その建物が取りこわされ、ここに新しき帝国劇場が建てられますとき、ここの舞台では何をやるべきか、と、我々は考えたことでございました。
劇場が新しく建つとき、まず我々が考えねばならぬことは、どんな形の劇場を建てるかではなく、その舞台で何をやるべきか……それが先決問題だからであります。
帝国劇場では年中いつでも、世界の一流の演劇が公演されていなくてはならない。外国の一流の俳優も呼んできて世界のどこで公演を行っても恥ずかしくない演目をやらなくてはならない。それが、まず方針として決まったのでございました。
“オリバー!”はディッケンズの原作を実にたくみに脚色したミュージカルでございます。ロンドンのドンマー・プロダクションの代表者ドナルド・オルベリー氏の製作によるもので、好評により続演に続演を重ね“マイ・フェア・レディ”の年間の長期公演記録を遂に破り、いまなお公演は続けられております。
私がロンドンで、このミュージカルをはじめて見たのは約3年前のことでありますが、その頃から、この“オリバー!”の出演者全員来日の交渉はつづけられ、その交渉を成功させるために、私は、何班かに別れて公演を行っている“オリバー!”を観るために、ロンドン、マンチェスター、テルアビブなどと世界の半ばを廻る羽目におちいりましたが、その努力の甲斐があってか、いま此の帝劇の舞台に展開されている“オリバー!”はロンドンに於ける初演当初からの俳優、何年間かの間に一つの役に扮した女優の中でのよりよき人、態々ニューヨークでオーディションを行って採用した少年……最高の配役であります。
一年に一度は外国のよい舞台を移して咲かせたいという念願は、まず果たされた訳でございます。ごゆっくりと最高のミュージカル“オリバー!”をおたのしみ下さいませ。


昭和43年 5月
東宝株式会社専務取締役
菊田一夫
by zatoumushi | 2007-10-16 22:43 | ▼プログラム▼