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“Musical comedy: the most glorious words in the English language.”


by zatoumushi
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▼035「ヴェローナの恋人たち」▼

★ヴェローナの恋人たち
 シェイクスビアの「ヴェローナの二紳士」に拠る

@日生劇場

劇団四季・日本ゼネラルアーツ 提携公演

1975年 5月 6日〜28日

初演


【掲載内容】

日本のミュージカル / 阪田寛夫

シェイクスビアとミュージカル / 倉橋健

アメリカの見知らぬ友とともに創る
       ぼくらの《ヴェローナの恋人たち》 / 青井陽治

【本文より】

(前略)今から考えると不思議な気がするくらいだが「マイ・フェア・レディ」の日本初演は大事件だったのである。それまでにも労音の「劉三姐」というミュージカルが成功していたし、それに似た試みも幾つか行われていた。しかし、歌と踊りに高い技術を要求されるという点で、ブロードウェイの直訳上演は私の目で見た限り、たいへんなことだった。私の感じでは、見ていて一番辛いのは「その他大ぜい」の人々だった。オペラでもよくそういうことがあるが、まんなかの主要な俳優ががんばっても、うしろや右左が心細いとミュージカルでは一層淋しい思いをさせられた。この手の作品には原則としてダンスナンバーが出てくるが、そこは専門の踊り手にまかせる、というのも一寸つらかった。草創期では致し方ないのだが、その点端役に至るまで一人一人が歌・踊り・芝居の三拍子揃っているのは、何といっても宝塚と四季のミュージカルだった。(中略)
もちろん、今ではたいていのミュージカル公演は、うしろのうしろまで、技術が揃うようになった。層が厚くなったから、その頂点もまた高くなるわけで、ブロードウェイを価値の基準に置くならばの話だが、日本のミュージカルは既にある表現力を身につけたように思われる。(後略)


日本のミュージカル より
阪田寛夫
by zatoumushi | 2007-11-10 23:36 | ▼プログラム▼