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“Musical comedy: the most glorious words in the English language.”


by zatoumushi
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▼071「紳士は金髪がお好き〈ローレライ〉」▼

★紳士は金髪がお好き 〈ローレライ〉

@シアター・アプル

木村プロダクション/シアター・アプル 製作

1985年10月22日〜30日

初演


【掲載内容】

映画の「紳士」は金髪がお好き / 双葉十三郎

「紳士は相変わらず金髪がお好き」か / 小澤僥謳

毒気のあるミュージカル / 兼八善兼

夢を果した女たち キャロル・チャニングとアニタ・ルース / 大平和登

「ザ・ミュージックマン」とその周辺 / 風早美樹


【夢を果した女たち】

「紳士は金髪がお好き」といえば、私には、すぐ想い起される二、三のことがある。それを書いてみよう。(中略)
一般的に、この題名がよく知られ、ジュール・スタインの作曲した主題歌が世界的に親しまれるようになったのは、二十世紀フォックスが製作したミュージカルの映画版の上映を通してだったに違いない。ハワード・ホークスが監督し、ローレライ・リーをマリリン・モンロー、ドロシー・ショウをジェーン・ラッセルが演じたものだった。映画のマリリン・モンローよりも、誰よりも、「紳士は金髪がお好き」という作品から、私には、強烈に想い出される女性が二人いる。ひとりは、舞台でローレライ・リーを演じたキャロル・チャニングである。彼女こそ、正真正銘のローレライ・リーであって、49年にこのミュージカルがジーグフェルド劇場で初演されたときこの役を演じて、一躍スターダムにのしあがった人である。後に、チャニングは「ハロードーリー」の主役を演じて、又々、ブロードウェイで大ヒットをとばして、ミュージカルの大スターの座につく。私がチャニングの舞台姿に初めておめにかゝったのはその時だが、10年後に、再び、彼女は「ローレライ」でパレス劇場の舞台に立ち、その健在ぶりに私は大喝采したのであった。一度、彼女のハスキーな歌と、グリッとした大きな眼玉と、真赤に大きく描かれた口をみたら、誰しも忘れられなくなる、キャロル・チャニングとはそんな女優である。早い話が、74年 6月に再演された「ローレライ」は、「紳士は金髪がお好き」のオリジナル舞台を改訂した舞台だが、明らかに、キャロル・チャニングの25年ぶりの再演のために書き直された舞台に過ぎなくて、もう、古風な大西洋航路の船旅によるパリ詣での話などはどうでもよく、チャニングは存分に観客を楽しませてくれた。歌えるコメディエンヌとして、全く際だった人なのである。(後略)


大平和登
by zatoumushi | 2008-02-24 00:01 | ▼プログラム▼