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“Musical comedy: the most glorious words in the English language.”


by zatoumushi
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▼094「ナイン」(再演)▼

★ナイン

@日生劇場

東宝 製作

1983年 9月 4日〜28日

再演


【掲載内容】

メッセージ / アーサー・コピット モーリー・イェストン
  マリオ・フラッティ 堀内完 滝弘太郎(初演プログラムから再録)

「ナイン」のようなミュージカルは
             今までいちども作られなかった。/ 安倍寧

華麗に語られる「性」の荒野 ミュージカル「ナイン」について
              / 北川登園(初演プログラムから再録)

ブロードウェイの『ナイン』ファミリー
              / 青井陽治(初演プログラムから再録)

稽古場ルポ 初演よりも豊かに明快に / 小藤田千栄子

“華の女優”室町あかね / (i)

「ナイン」の異色出演者たち / 石崎勝久


【稽古場ルポ 初演よりも豊かに明快に】

もしかしたら九月に再演、こんな噂をきいたのは、三月初演の、それも千秋楽に近い日だったろうか。その年のうちに再演があるのは、東宝ミュージカルのなかでも非常に珍しく、“ナインだから九月ですか?”なんて冗談を言いながらも、こんなに早く、再び「ナイン」が見られるなんて、とてもうれしく、今年はすごくツイてるんじゃないかと思ったほどである。
東宝ミュージカルは「マイ・フェア・レディ」以来のファンで、新しい作品に出あうごとに、ミュージカルとはいいものだと思い続けていたのだが、「ナイン」ほど、ちょっと大仰な言いかたをすれば、知的に興奮させられたものはない。そういえば「ラ・マンチャの男」が初演されたときも、その、二重、三重の構造に魅惑され、見れば見るほどに、作品自体の奥の深さに感じいったものだが、「ナイン」は、それ以来の興奮と言えようか。加えて、私自身が、映画ジャーナルの人間なので、あのフェリーニの世界が、かくも華やいだ雰囲気のなかで、あざやかにエッセンスを抜きだし 、流れるように展開していくことに、圧倒されてしまったのである。これはもう、ミュージカルの世界の、ひとつの革命であり、このジャンルが、未来に向かって、無限の可能性さえ秘めていることを感じさせて、上気してしまったものである。早い話が、かなり重症の「ナイン」病なのである。(中略)
ところで先だって、ブロードウェイで「ナイン」を見てきた。もうラウル・ジュリアは降板し、代わってクラッシックもこなすセルジオ・フランチがグイード役をつとめていたが、総体に女優さんたちの個性に見るべきものがあるものの、日本版も決して負けてはいないとうれしくなったものである。これ、本当の話ですよ。


小藤田千栄子
by zatoumushi | 2008-03-03 05:06 | ▼プログラム▼