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“Musical comedy: the most glorious words in the English language.”


by zatoumushi
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▼185「レイディ・イン・ザ・ダーク」▼

★レイディ・イン・ザ・ダーク

@アートスフィア 他

TBS+シアター・ドラマシティ 製作

1996年 2月24日〜 3月15日(アートスフィア)
    3月27日     (長良川国際会議場メインホール)
    3月30日〜 4月10日(シアター・ドラマシティ)
    4月13日〜  14日(愛知県芸術劇場大ホール)
    4月16日     (広島厚生年金会館)

初演


【掲載内容】

人にはそれぞれ / 謝珠栄

クルト・ワイルとの出会い / 渋谷森久

「舞台美術をやりませんか?」 / 日比野克彦

作品解説 / 風早美樹

40年代のブロードウェイ / 青木ゆり子

ブロードウェイ・ミュージカルとファンタジー / 勝田安彦

半世紀を超えた『レイディ・イン・ザ・ダーク』 / 岩淵達治

『レイディ・イン・ザ・ダーク』in 日本 / 武藤晃子

『レイディ・イン・ザ・ダーク』稽古場日記 1995年12月4日〜1996年2月17日


【半世紀を超えた『レイディ・イン・ザ・ダーク』】

サイコ・ミュージカルというジャンルがあるとすれば、まさに『レイディ・イン・ザ・ダーク』がそれだろう。
ワイルのブロードウェイにおける地位を完全に確立したといわれるほどの成功を収めたこの作品は、商業的に成功するのが不思議なほど凝りに凝った心理分析劇なのである。
フロイトの「夢判断」を通俗的にしたなどと悪口を言う前に、自分でもわからぬほどマルチな顔を持った女の見る多面的な夢の場を挿入することで、変幻自在に手を変え品を変えて大衆観客を退屈させずに、結構シビアなテーマを盛り込んだモス・ハートの台本と、独立しても十分に鑑賞に耐えるウィットのきいた歌詞を書いたアイラ・ガーシュインの手練の業に文句なく脱帽すべきだろう。(中略)
もちろん初演時の1941年には斬新だった心理分析を使う手法が50年以上過ぎた現在では新奇とはいえなくなっているということはあろうが、日本での遅すぎたデビューには十分すぎるほどの期待がかけられるだろう。
アメリカでも初演50年の前後にちょっとしたリバイバルブームがあったようである。

岩淵達治 学習院大学教授
by zatoumushi | 2008-07-12 12:23 | ▼プログラム▼