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日本のミュージカルのために。。。


by zatoumushi

2008年 02月 17日 ( 4 )

★ミズ  ことし最高の女性

@日生劇場

東宝 製作

1982年 2月 4日〜28日

初演


【掲載内容】

御挨拶 / 横山清二

「ミズ」の世界 / 甲斐萬里江

ピーター・ストーンとフレッド・エッブ
          ジョン・カンダー その他 / 佐藤力

舞台の“モーニングショー”に期待 / 鈴木治彦

「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」あれこれ
         楽しいブロードウェイ・ミュージカル / 川本三郎


【御挨拶】

本日は御来場まことに有難うございます。一九八二年は、ミュージカルの盛んな年になりそうだといわれていますが、そのスタートをきって鳳蘭さん主演のブロードウェイ・ミュージカル「ミズ」を上演いたまします。このミュージカルは、御承知の様に一九八一年三月二十九日、ブロードウェイのパレス劇場で、ローレン・バコール主演で開幕いたしました。新しい女の生き方を描いた非常にたのしいミュージカルで、未だに連日満員をつづけているヒット作品です。女主人公のテス・ハーディングには「ファニー・ガール」「スウィーニィ・トッド」につづけて主演し、すぐれた舞台をみせました鳳蘭さんが扮します。鳳さんは戸板康二先生が「スターらしい、スター」(「目の前の彼女」所収)と書かれておられる通り、まことにミュージカル・スターとして不世出の大器だと思います。今度も実にたのしい舞台をおめにかけることができると思います。サムには古谷一行さん、ジェラルドには友竹正則さん、チップ・ソールズベリーには有川博さんがそれぞれ出演されます。どうぞみなさま、最後まで「ミズ」をおたのしみ下さる様に御願い申上げます。


東宝株式会社
演劇担当 常務取締役
横山清二
by zatoumushi | 2008-02-17 18:16 | ▼プログラム▼
★キャバレー

@博品館劇場

博品館劇場 製作

1982年 2月 3日〜21日

初演


【掲載内容】

時代をどう出すか。 / 渡辺浩子

「キャバレー」あ・ら・かると / 風早美樹

順みつきへの夢と期待 / 小田島雄志

踊るベルリン キャバレーの時代 / 海野弘

『キャバレー』の女性スタッフたち
               新しい変化の波のなかで / 扇田昭彦

稽古場より / 原達昭


【時代をどう出すか】

(前略)「キャバレー」は今度が日本での初演になるという。これだけの作品がなぜ今まで上演されなかったのか不思議なような気がする。しかしある意味では、今こそアクチュアルな上演の意味をもつ時、といえるかもしれない。ユダヤ人であるシュワルツが「キャバレー」の中で、その後自分におそいかかってくる運命を知らずに、ナチのことをどうせ一時期のことと言っているのを見ていると、こわくなる。私だってその場にいたらそうかもしれない。取返しのつかないことが起こっているのに気がつかず、トーマス・マンさえ、ヒットラーの首相指名のしらせをきくと、笑ってこういったという。「けっこう、8ヵ月とはもつまい」。共和政治のリーダーたちも「ボヘミア生まれの伍長に何ができる」と、ヒットラーを軽くみて、一時預けのようなつもりで政権をわたした。いくらでも彼をとり押さえるチャンスはあったのに。まあそれはともかく、今は、自由、奔放、享楽のサリー・ボウルズの世界をどう描くかだ。退廃も含めた20年代末のベルリンを。


演出家 渡辺浩子
by zatoumushi | 2008-02-17 17:13 | ▼プログラム▼
★ピーター・パン

@新宿コマ劇場

コマ・スタジアム/ホリプロダクション 製作

1981年 8月 2日〜30日

初演


【掲載内容】

ご挨拶 / 酒井肇

ピーターの自由について / 福田善之

ピーター・パンに寄せて / 掘威夫

「ピーター・パン」あれこれ / 野口久光

永遠のアイドル性=榊原郁恵= / 伊奈一男

ピーター・パンと私 / 榊原郁恵


【ご挨拶】

暑さきびしき折から、本日はようこそお越し下さいました。誠にありがたく、厚くお礼申しあげます。
今月は新宿コマ劇場開場二十五周年記念の特別企画といたしまして、只今全米で大ヒット中のブロードウェイ・ミュージカル『ピーター・パン』の日本初公演でございます。当新宿コマ劇場では、日本国内での上演権はもとより、劇中での空中遊泳装置の使用権を買いとり、ようやく日本でははじめての本格的フライング・シーンをお目にかける運びとなりました。この『ピーター・パン』は、サー・ジェイムズ・マシュー・バリーの世界的な名作「ピーター・パン」のミュージカル化で、物語の内容や楽しいミュージカル・ナンバーのかずかずに加えて、主人公たちが空中を飛びまわる仕掛けの面白さで、ニューヨークを始め全アメリカを緊張と興奮の渦にまきこんだ作品でございます。株式会社ホリプロダクションの協力も得て、当代の人気スター榊原郁恵を主役ピーター・パンに迎え、金田龍之介のフック船長とダーリング氏二役、香坂みゆき扮するウェンディ、室町あかねのタイガー・リリー役、さらに木ノ葉のこの迷い子バーゲン、清水良英のダーリング夫人らを中心にくりひろげられるこのステージこそ、新宿コマ劇場が過去二十五年間にわたる経験をもとに総力をあげて上演にふみきったファミリー・ミュージカルの決定版と自負している次第でございます。衣裳・神取宏全、声楽監督・鹿児島清志、音楽指揮・中谷勝昭、効果・八幡泰彦、加えてフライング・デザイナーに世界のフライング技術師ピーター・フォイと、ミュージカル界のベスト・スタッフがずらりとそろっております。何とぞ本日はご家族おそろいで、この超大作ミュージカルを最後までごゆるりとお楽しみ下さいますよう。本日のご来場を重ねて厚く御礼申しあげますとともに、今後も開場二十五周年の新宿コマ劇場に倍旧のご支援をたまわりたく、あわせてお願い申しあげる次第でございます。


昭和56年 8月
株式会社コマ・スタジアム
専務取締役 酒井肇
by zatoumushi | 2008-02-17 13:25 | ▼プログラム▼
★スウィーニィ・トッド  フリート街の奇妙な床屋

@帝国劇場

東宝 製作

1981年 7月 3日〜 8月30日

初演


【掲載内容】

幻想のスウィーニィ / 鈴木忠志

翻訳について / 倉橋健

日本の観客の皆様へ / スティーブン・ソーンハイム

染五郎の一つの歴史 / 戸板康二

六代目市川染五郎の舞台歴抄

スウィーニィ伝説の《狂える世界》
             伝説からミュージカルまで / 甲斐萬里江

「スウィーニィ・トッド」と鈴木忠志 / 大平和登

ソーンハイム=プリンス コンビの最新作
              「スウィーニィ・トッド」 / 風早美樹

鈴木忠志の演出 / 水落潔

ソーンハイムの音楽 / 滝弘太郎


【幻想のスウィーニィ】

私は長い間、外国の芝居でおもしろいと思ったものはあっても、演出家として自分も上演してみたいと思うものはなかった。しかし一昨年、俳優の指導のために渡米した折にみた「スウィーニィ・トッド」だけは例外だった。すぐに自分なりに上演してみたいと思い、資料を集めたりした。帰国してしばらくたってから、まったく偶然のことで、東宝演劇部で「スウィーニィ・トッド」を上演する企画があることを知った。私は「スウィーニィ・トッド」をミュージカルではなく、このミュージカルの原作であるボンドの脚本をつかって、ドラマとして上演してみたいと思っていたのだが、いろいろな推移があって、結局東宝ミュージカルの演出家として登場することになってしまった。(中略)
この作品が描いているのは、産業革命による急激な社会変化の過程で、周縁に追いやられざるをえなかった人たちのドラマである。狂人たちの合唱にもあるように、街は火事であり、ねずみと気狂いが喚き、せむしが踊り、黒い雨が降る都市での出来事である。日本でいえば、近代的な工場群に圧迫されだした下町のラーメン屋が、その舞台であろう。そのラーメン屋の周辺を徘徊する下層労働者や、急激な社会変化についていけないために、狂人として管理されざるをえない人たちが、かつてこのラーメン屋の二階に住んでいたが非業の死をとげた彼らの小さな歪んだ英雄を呼びだして、ひと芝居演ずるというものである。要するに、怨恨や復讐や絶望が生んだ期待のシンボルとして、スウィーニィ・トッドは登場してくる。だから当然、異常な話が展開されるのだが、その彼らの英雄が、ただ単に正義の味方ではないところに、この作品の最大のユーモアがあり、それが現代を鋭く照射している。ハロルド・プリンスの演出はすぐれたものだが、トッドが狂人たちの幻想であるという視点が、それほど強くうちだされてはいなかった。私が演出してみたいと思ったのは、トッドが共同の幻想として登場してくるというところに触発されたからで、当然アメリカでの上演とは力点の置き方が異なってくる。プロローグや精神病院の場面を全面的に変更したのは、そのためである。(後略)


鈴木忠志
by zatoumushi | 2008-02-17 11:59 | ▼プログラム▼